ブロックチェーン技術に代表されるフィンテックの進展により新たな経済環境が構築されつつあります。ビットコインの価格の上昇とボラティリティの大きさにより世界中のリスクマネーが流れ込みつつある仮想通貨市場において、現在注目の度合いを高めているのがICOと呼ばれる企業の資金調達の方法です。ここでは、ICOについてご説明しこれを利用して収益を上げることができるのかどうか考えてみます。

1章:ICOとはどんな意味!?

2章:トークンで儲かるためには?

この目次の順に進めていきますので、是非最後まで読んで知識を深めて頂けたら幸いです。

 

ICOとはどんな意味!?

ICOとは?

ICOはInitial Coin Offeringの英略です。

日本語では新規仮想通貨公開と呼ばれて、クラウドセールやトークンセールなどとしても有名で、企業やプロジェクトなどが新たに資金を調達する方法です。どのように資金を利用するのかを 記載したホワイトペーパーを発行し、その趣旨に賛同した投資家から資金を集めます。企業は資金を投じてもらった代わりにトークンを発行し、このトークンを元に様々な方法で投資家に還元をするという仕組みになっています。

最近では医療ベンチャーなどが IC を通じて100億円の資金を集める計画も発表されており、ますます注目が高まっています。(参考:https://japan.cnet.com/article/35111075/)

 

ICOとIPOの違い

従来では、企業は株券を発行しそれを購入してもらうことによって、市場から資金を調達していました。これはInitial Public Offeringの英略で IPO と呼ばれ、新規上場株式として非常に認知度の高い方法としている確立されています。加えて IPO では、高い確率で儲けが出せる手段として投資家から人気が高いです。

しかし現在のように株などのような有価証券に対する法整備がなされ、 IPO のタイミングでも企業に求められる決算書や計画書などの資料や会社の整備などが必要となってくるため、一般的には非常に高いハードルが設けられています。これは投資家から資金を集めるだけ集めて株式を上場しないなどの詐欺のような事態を防ぐために様々な法律が制定されているからです。証券取引所の審査も厳しいこともあって、起業後間もないベンチャー企業などにとってはそのための準備を進めるのは非常に困難であるのが実情です。

一方で ICO では、企業に求められるのは端的に言ってしまえばホワイトペーパーの発行とトークンの販売だけです。その上このホワイトペーパーの発行も決して義務ではないので、発行していない ICO もあるくらいです。従って IPO と比較して、 ICO は比較的簡単に資金を集めることができるといいます。

 

トークンの種類

トークンは取引所なので公開された後は、ビットコインやイーサリアムと同様の仮想通貨として扱うことができます。従って投資家が収益を上げるためには取引上に公開される前にトークンを手に入れる必要があります。 そんなトークンには、以下の5分類があげられています。

 

仮想通貨型トークン

これはビットコインなどと同じように、決済や送金などに特化したトークンです。従来のビットコインではブロックチェーンの特性上決済に約10分かかっていましたが、これを飛躍的に高めるなどで利便性を高めています。

 

会員権型トークン

これはトークンを保有している投資家に対して、企業が提供しているサービスの一部割引や優待を行うことに特化したトークンです。株主に対する優待券の発行のような感じですね。

 

プリペイドカード型トークン

これは会員権型トークンと似ていますが、企業が提供しているサービスの代価をこのトークンによって支払うことができるトークンです。nanacoなどの電子マネーを思い浮かべると想像がつきやすいと思います。

 

ファンド持分型トークン

このトークンを所有していることで投資家は、トークンを発行した企業から一定の割合で配当を受け取ることができます。これは株券で言うと株主配当にあたるものです。

 

アプリケーション・プラットフォーム型トークン

このトークンを、トークンを発行した企業が提供するシステムの中で使うことができる通貨とするものがこれにあたります。最も代表的なもので言うとイーサリアムやリップルなどがこれにあたります。

 

発行者側のメリット

資金を素早く調達できる

トークンは投資家にビットコインなどに代表される既存の仮想通貨で購入してもらえます。仮想通貨の基軸通貨なっているビットコインなどは、現在の市場では非常に高値で取引されているので、企業は即時的に資金を得ることができます。

 

調達資金を返却する必要がない

IPO と違って、ICOではトークンを保有している投資家に対して、調達資金を返済する必要がありません。 また、IPOでは資金を提供した投資家は、企業の経営に対して意見を表明することができます。これは企業側にとって、プロジェクトの進行を阻害するものであったり、資金の使い道に対する自由度を狭められたりと不都合が生じます。一方で、投資家がICOを通して資金を企業に提供しても、使い道に関して指図することは出来ません。あくまでフランクな形の資金調達として注目を集めているゆえんです。

 

プロジェクトの目的が革新的な技術だけでなくてもよい

IPOでは公的に資金を投資家から集めるものであることから、ビジネスとして成立しえないものは承認されないという点で高いハードルが存在しています。しかしながら、ICOでは革新的な技術の開発と発展というビジネス観点で重視されるプロジェクトだけでなく、高い公益性が認められれば資金調達の手段として成立しえます。

 

低い知名度の企業でも、それを広めるチャンスを得られる

ICOを行う企業が注力したいのは、当該プロジェクトの開発と進行です。しかしそのためには資金を募る必要があり、そのためには自分たちのプロジェクトについて広く世間に知ってもらう必要があります。ICOのサイトでは、後述しますが、アナウンスやPRといった方法で自分たちのプロジェクトを広く世間に発信することが出来ます。こういった仕組みを利用できるのはICOのメリットであると言えます。

 

トークン購入側のメリット

一攫千金のチャンスあり!?

取引所に企業が発行したトークン上場することで、自由に売買することができるようになります。市場で取引されるようになると、多くの場合そのトークンの価格は大幅に上昇します。 ICO で取得したトークンの価格を上回ることが多いので、これを売却すれば投資家は収益を上げることができます。また ICO で発行されるトークンの価格は非常に低価格に抑えられていることが多いです。

 

売買手数料なし

仮想通貨取引で投資家の収益向上を探している要因は、取引所でかかる売買手数料です。一般的には売買を重ねれば重ねるほど、売買手数料はかかっていくのでその部分だけ資産を減らすことになります。しかし ICO では直接企業から投資家がトークンを購入するので売買手数料はかかりません。従って投資効率を実現することになり、人気が高まった一つの要因となっています。

 

ICOで儲かるためには?

それでは ICO を通じて収益を上げるためにはどのようにしたらいいでしょうか。ここでは ICO の手順を確認し、どのような点に注意したらいいのかを見ていきましょう。

企業側でICOの具体的な手順と仕組み

Step1 アナウンス

新たにトークンを発行しようとする企業は、集まった資金でどのようなプロジェクトを運営していくのかなどを示したホワイトペーパーを発行します。投資家は発行されたホワイトペーパーをもとに投資価値あるかどうか・どのようなメリットがあるのかを判断します。

 

Step2 オファー

ICOの企業にとっての魅力は、インターネットを通して広く世界中から投資を集めることですが、特に資金力ある投資家には個別で投資の案内を出します。これをオファーと言います。著名な投資家から投資を引き出すことができれば、他の投資を検討中の投資家にアピールすることが出来ます。

 

Step3 PR

一般の投資家を対象に実際に投資を募る前に最後の情報伝達を行います。革新的技術の紹介やビジネスモデルについて説明を行うことで、多数の投資を呼びかけます。

 

Step4 ICO販売開始

ここまで投資家を募ってきたら最後はトークンを販売開始です。ここで資金を引き出すことができればICOは成功したと言ってよいでしょう。

 

ICOのリスクとは?

ICOもIPOと同様に、投資対象のプロジェクトや企業が今後も継続的な収益を上げ続けることができるのか、目利きが必要になってきます。IPOでは決算資料や活動計画など膨大な資料の提出を求めれ厳しい審査を経てから売り出されます。しかし、ICOではそういった審査はありません。極端な例では、ホワイトペーパーすら出さずにICOを行う猛者も一定数存在します。数あるICO案件の中から信頼できるものを選びぬく目が、投資家には求められていると言えます。

 

最後に:詐欺コインにご注意!

ICOはIPOのように既に確立した資金調達方法と違って、法整備も行きわたっていません。中国や韓国ではICOによる資金調達は違法である、との判断も下されています。法整備が行きわたっていないということは、資金を調達する企業側はハードルが低く歓迎されますが、資金を投じる投資家にとっては資金を失うリスクも大いにあると言えます。IPOでは新規に株式を公開した企業は、上場後も市場から継続的に資金を調達するために自らの成果を内外に発表し少しでも株価が上昇するように継続的に企業価値の向上に努めるものです。

しかし、ICOでは投入された資金に対して投資家に責任を負う必要がありません。従って、資金を十分に集めたらその後はドロン…なんてことも実際に起きています。IPOにおけるプロジェクトの説明書におけるICOのホワイトペーパーをじっくり読む以外に投資家としては自衛の手段はありません。投資家としては、ICOはハイリスク・ハイリターンの投資であることを肝に銘じておきましょう。くれぐれも投資は自己責任でお願いします。